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投資

いすゞ自動車(7202)株の銘柄分析レポート:中長期投資のためのポイント

いすゞ自動車(7202)銘柄分析レポート

いすゞ自動車(7202)を購入し保有しています。いすゞ自動車株式会社は、自動車製造業界の中で長い歴史を持つ企業です。日本を拠点とし、商用車と乗用車の製造とくに中小型トラックに強い企業です。この記事では、このいすゞ自動車株について理学療法士で個人投資家の私がどんな銘柄か簡易的に銘柄分析です。

結論から言うと個人的には買いの銘柄です。株価指標的に十分割安であり過去や将来の業績から見ても保有し続けて良い銘柄だと考えています。

※他人の投資戦略や成功体験に惑わされず、投資についての最終的な判断は個人の自己責任において行いましょう。

いすゞ自動車(7202)
設立1937年4月
上場1949年5月
業種輸送用機器
市場東証P
会社概要トラック大手。中小型が強い。世界各国で販売。長い歴史を持ち、品質と信頼性に優れた車両を提供。
事業内容小型〜大型トラックの製造・販売。エンジンの開発研究も行なっている。商用車ソフト面のサポートも。国際的に幅広い自動車市場で活動している。
特色中小型に特に強み。世界150ヶ国以上で事業展開している。大型に強いUDトラックスを21年傘下に。タイで生産するピックアップも柱。高品質な商用車と乗用車の製造における強力な信頼性と耐久性が特色。環境への配慮にも力を入れている。

企業の紹介

事業モデル

いすゞ自動車は、商用車としてのトラックやバス乗用車市場において高品質な車両を提供しています。その主要な事業モデルは、自動車製造と販売です。

主要製品またはサービス

いすゞの主力製品には、いすゞエルフやいすゞフォワードなどの中小型トラック、そしていすゞディーマックスやいすゞミューエックスなどのピックアップ・トラック&PPVが含まれます。

競合他社

自動車製造業界では、いすゞ自動車の競合他社には、トヨタ、日産、ホンダ、日野などがあります。

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財務分析

収益性

いすゞ自動車の業績グラフ

いすゞ自動車は過去数年間で着実な売上成長を達成し、利益率も安定しています。これは競争力のある製品ラインナップに裏打ちされています。

グラフを見ると2021年から増収増益が続いています。

2024/03の予定はやや横ばい気味なグラフですが増収増益

2023/03の結果は部品不足の改善が進んだこと、円安進行および価格対応により増益となったとのことです。

2024/03期 第1四半期実績

第1四半期での業績は昨年と比べても好調だといえるでしょう。昨年度第1四半期と比べ以下の実績となっています。

  • 売上高 +12.7%
  • 営業利益+25.3%
  • 経常利益+27.3%

しかし、国内外合わせた車両販売台数で見ると-5.8%と低下しています。国内外内訳は以下の通りです。

  • 国内での販売台数 +54.2%
  • 海外での販売台数 CV:-15.1% LCV:-5.8%

国内は部品不足解消により販売台数が増えたようです。海外ではインフレ及び金利上昇の影響でここまで低下したとのこと。

産業用エンジンでも中国での需要が低迷し、-2.7%の売上。その他事業の売り上げは4.9%増加と発表されています。

結果的には前述したように売上高+12.7%となっています。

財務安定性

いすゞ自動車は、負債構造の健全性と強力な現金フローによって、財務的に安定している企業として評価されています。

2019年〜2023年の5年間ではキャッシュフローマトリクスは4年安定期、1年が投資期となっています。フリーキャッシュフローは4年黒字、1年が赤字です。

資産管理

企業は十分な現金と投資を保有しており、有形資産の価値も高い水準を維持しています。自己資本比率も43.5%と優秀な水準です。

株主還元

いすゞ自動車は積極的な配当政策を採用し、株主に対して定期的な配当を支払っています。また、過去には自社株買いプログラムも実施しています。

24/03予では配当性向36.5%,配当利回り4.54%高利回りですが配当性向は高すぎず良い水準だと考えられます。

SWOT分析

企業の強み (Strength)

信頼性の高い製品品質

いすゞ自動車は長い歴史を持ち、その製品は高い品質と信頼性で知られています。

いすゞ自動車といえばトラックです。大型、中型、小型すべての販売があります。そのなかでも、とくに中小型が強いと言われています。大型トラックもUDトラックス子会社化により死角がなくなってきたといえるでしょう。

いすゞ自動車は実はタイで強い会社です。LCV(ピックアップトラック)の主戦場はタイです。生産輸出の拠点もタイにあります。

そして意外と知られてないのがバスの販売もしていることでしょう。このバスは日野自動車との合弁会社であるジェイ・バスで生産され、いすゞ/日野の両ブランドで販売されています。ライバル同士で手を組んでバス業界では戦っているわけです。

グローバルなプレゼンス

いすゞ自動車は世界中に広がる生産拠点と販売網を持っており、国際市場で競争力を維持しています。

前述したようにとくにタイは強くLCV(ピックアップ)はタイが拠点となっているほどです。

持続可能な技術への投資

電動車技術や環境への配慮に焦点を当て、新たな持続可能な技術への投資を行っています。これは将来の成長に対するプラス要因です。

主力小型トラックのエルフは「ELF-EV」として電動車を発売させました。今後さらに電動車技術が成長していくかと思われます。

企業の弱み (Weakness)

競争の激化

自動車業界は競争が激化しており、新興メーカーや技術企業からの競合が増加しています。これにより価格競争が激化し、利益率に圧力がかかっています。とくに電動車はテスラを初めとして様々なメーカーでも販売をしているため、さらに激化することが見込まれます。トラックなのでやや自動車の中でも分野は異なるかもしれませんが今後の競争は要チェックです。

国内市場の依存

いすゞ自動車は一部の国際市場で成功しています。しかし、国内市場への依存度が高いことが、地域的な経済変動に対する脆弱性を示唆しています。さらに海外市場の開発を行なっていく必要性があるかと思われます。

市場の機会 (Opportunity)

 電動車市場への参入

電動車市場は成長しています。いすゞ自動車はこの分野にさらに力を入れることで成長を見込めるかと思います。現に前述した「ELF-EV」をすでに販売しています。ここから他車種もどんどん発売されていくことが期待できます。

新興市場の拡大

いすゞ自動車は新興市場での存在感を高め、成長市場への参入を図ることができます。現在タイではいすゞ自動車はかなり強いです。今後さらにインドや中国、ブラジル、東南アジア、アフリカなどに力を入れていくことで成長を見込めるかと思います。

なかでもインドは人口も多く、急速に成長しています。小型車や電動車の需要が高まっているということでそこに参入していくことで成長が見込めるでしょう。

企業を取り巻く脅威 (Threat)

規制変更のリスク

環境規制や安全規制の変更が自動車業界に影響を与える可能性があります。今のところそういった新しい規制などの話はないです。しかし、そういったものが生じた場合には企業に対する新たな負担をもたらす可能性があります。

技術の急速な進化

自動車技術は急速に進化しており、この急速な進化に負けないだけの新たな技術開発や採用と競争力の維持が課題になります。

産業動向

自動車業界は電動車技術の進化や新たなモビリティソリューションの台頭など、多くの成長機会を抱えています。いすゞ自動車はこれらのトレンドに対応しようとしています。

いすゞ自動車では、電動車では前述しているように「ELF-EV」だったり、ソリューションとして「PREISM(プレイズム)」「MIMAMORI(みまもり)」を提供しています。

このソリューションはいすゞ自動車とトランストロン、富士通と開発した商用車情報基盤「GATEX(ゲーテックス)」を利用して提供されています。

いすゞ自動車(7202)2023/10/05時点での株価指標
予想PER7.08倍
予想EPS69.6
実績PBR 0.89倍
実績BPS 556.1
予想配当利回り 4.87%
予想1株配当24~26
過去の業績過去2年増収,過去1年減益
PEGレシオ 0.33倍
業績24/03連予+12.6%増収,-0.4%減益
ROE 12.7
ROA 5.5
配当性向 34.5
株主優待なし

株価指標についてよくわからないというかたはこちらの記事を参考にしてみてください。

評価と展望

企業の評価

上記株指標まとめや現在の株価、財務情報を考慮して、いすゞ自動車株の評価をまとめます。過去の業績と将来の見通しを基にした評価を含みます。

記事の初めに書いたように個人的には現時点でも買いの銘柄だと考えています。株価指標的に十分割安であり過去や将来の業績から見ても保有し続けて良い銘柄だと思われます。

将来の展望・成長予測

いすゞ自動車は新たな技術への投資や市場拡大に向けた取り組みを続けており、将来の展望は明るいと言えます。ただし、競争の激化にも注意が必要です。

2024/03期 通期見通し

2024/03での見通しとしては以下のものが出されています。

  • CV(トラックやバス)では部品不足が改善する国内及び北米向けが増加。アセアン中心にインフレ、金利上昇のマイナス影響を見込む市場もある。
  • LCV(ピックアップ)では、タイ国内向けの需要減見込み。輸出は拡大するも生産制約があるとのこと。
  • 損益見通しは、さらなる資材費およびエネルギーコスト上昇の見込み。価格対応や合理化推進により営業利益2,600億円を目指すそうです。

2024/03期第1四半期 期初見通し比

第1四半期で以下のようなものが発表されています。

  • CVは、新興国向け需要が軟調。先進国向け需要は引き続き強い。全体では想定並の見込み。
  • LCVは、タイ向けの需要回復遅れによる台数減の見込み。その一方で輸出向けは先期に供給が滞った地域を中心に台数増の見込み。
  • 資材費等が想定を下回る価格で推移しているが、市場環境が不透明なため変更せずとのこと。

今のところは全体としては想定並ということでとりあえず安心の1Qでした。

投資判断の要点まとめ

私自身の投資判断としては以下の点を参考にしました。

グッドポイント

  • PER 8.03倍 (<10) 
  • PBR 1.04倍 (≒1)
  • PEG 0.7倍 (<1)
  • 予想配当利回り 4.54% (>4%)
  • 配当性向 36.5% (≒30)
  • 2021年〜2023年まで増収増益
  • 2024年も増収増益予定
  • CFマトリクス 2019年〜2021年、2023年安定期
  • フリーCF 2019年〜2021年黒字、2023年黒字

バッドポイント

  • CFマトリクス 2022年投資期、フリーCF赤字
  • 第1四半期実績では国内外合わせた車両販売台数で見ると-5.8%と低下

以上の良い点、悪い点を見比べた上でも株価指標や今後の展望から長期保有できる銘柄だと考えています。

※他人の投資戦略や成功体験に惑わされず、投資についての最終的な判断は個人の自己責任において行いましょう。

引用とリンク

いすゞ自動車HP

2024年3月期 第1四半期決算短信

2024年3月期 第1四半期 決算説明

2023年3月期 決算短信

2023年3月 第1四半期 決算説明

SBI証券

まとめ

いすゞ自動車株についての銘柄分析を通じて、企業の強みや弱み、将来の展望について簡易的にまとめました。

※他人の投資戦略や成功体験に惑わされず、投資についての最終的な判断は個人の自己責任において行いましょう。

実際に株式投資をまだ始めていないけど興味がある方はこちらの記事から証券会社を決めて証券口座を作ってみましょう。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

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