ペイパルはデジタル決算に関する企業。
※他人の投資戦略や成功体験に惑わされず、投資についての最終的な判断は個人の自己責任において行いましょう。
本記事の見解はあくまで個人的な考えです。投資を他人に推奨するものではありません。
企業の基本情報
ペイパル(PYPL) | |
---|---|
設立 | 1998年 |
業種 | 電子商取引 |
市場 | NASDAQ |
会社概要 | アメリカ中心に世界に広がっている電子決済サービスの会社 |
事業内容 | 金銭のやり取りをPayPalが仲介。取引先にクレカ情報や銀行口座番号を知らせる必要がなく安全なサービス。 |
特色 | デジタル決済を安全に行うためのシステムを構築している。多くのブランドがあるがメインブランドには「PayPal」がある。 個人感での決済も可能。 |
企業概要
ペイパルホールディングスは、デジタル決済を可能にし、世界中の商人や消費者に変わって商取引体験を簡素化するテクノロジープラットフォームです。
1998年に設立以来、お金のやり取りをもっと自由に、もっと安全にすることを目指し、一貫してデジタル決済のイノベーションに努めてきた米シリコンバレーのフィンテックカンパニーです。
取引先にクレカ情報や銀行口座番号を知らせる必要がなく安全なサービスを提供する企業だと考えられています。
主要製品またはサービス
ペイパルは商人と消費者をつなぐ大規模なグローバルなネットワークを運営しています。これは200以上の市場で4億3500万のアクティブなアカウントを持っています。
ペイパルブランドには「PayPal」「Braintree」「Venmo」「Xoom」「Hyperwallet」「PayPal Zettle」「PayPal Honey」「Paidy」が含まれます。
商人と消費者間だけでなく、個人間での決済ソリューションも提供しています。
基幹サービスとなるPayPalは事前にカードや銀行口座を登録しておけば、IDとパスワードを入力するだけでオンラインショッピングの決済を可能にするサービスです。
日々に買い物をより簡単にするためのサービスとなります。
競合他社
ウエスタン ユニオン(WU)、キャピタル ワン ファイナンシャル(COF)、ディスカバー ファイナンシャル サービス(DFS)が競合となります。
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企業の業績まとめ
通気業績推移
出典:楽天証券
(出典:SBI証券)
売上高は2025年12月期まで順調に伸びていく予定となっています。綺麗に右肩上がりです。
しかし当期純利益は2024年12月期は一旦落ち込む見込み。これもあり株価の低迷を招いているのか?
2025年12月期には戻していく見込みのようです。
キャッシュフロー
(出典:SBI証券)
2022年12月期までは安定期です。しかし、2023年12月期は停滞期となっています。
ここをまた安定期に戻していけるのかは企業の力の見せ所かと思います。
フリーCFは黒字で推移。2023年は大幅に増やしてきています。
2023年12月期第4四半期実績
今回の決算はCEOが新しく変わってから初の決算発表となりました。結果としては予想を上回った利益をあげています。
1株あたりの調整後利益は1.48ドル。予想は1.36ドルでした。
売り上げは80億3000万ドル。予想は78億7000万ドルでした。
ここまでみると予想を上回っており素晴らしい内容ですが、決算後株価は急落しています。
これは2024年度の予想の影響です。2024年12月期の成長率が横ばいと予想されています。
今後のペイパルの戦略としてはCEOが「収益性の高い成長を追求するために会社をスリム化する」との発表をしています。「針を動かすには時間がかかる」との発言もしているため成長をまた加速させるのには時間がかかるのかもしれません。新CEOとなり成長を再び活性化させることを期待されていただけに株価も敏感に反応したのかもしれません。
現在2024年度の1株あたりの調整後利益は5.10ドルを見込んでいるようでこれが2023年度ど変わらない数値となっています。さらに、売上高と営業利益率の見通しを示していません。これは投資家としては印象が悪くなります。
2024年度の自社株買いは50億ドル以上を見込んでいて株価を意識はしているようです。
企業の銘柄分析
株価チャート
(出典:SBI証券)
この1年下がりっぱなしです。NASDAQ100で最悪のパフォーマンスと言われているだけあります。
50ドル程度が現在サポートとなっている印象。今回の下落ではそこまでは落ちず翌日戻しました。
株価指標
ペイパル(PYPL)2024/2/21時点での株価指標 | |
---|---|
予想PER | 16.27倍 | 実績PBR | 3.01倍 |
予想EPS | 3.63ドル |
予想配当利回り | 0% |
PEGレシオ | 0.77倍 |
ROE | 20.54% |
ROA/th> | 5.28% |
配当性向 | 0% |
自己資本比率 | 25.70% |
(参考:SBI証券、楽天証券、finviz)
PER
2024/2/21時点での予想PERは16.27倍。割安水準です。米国株では20倍が目安とも言われていますのでPERでみると割安ですよね。
ここ5年のPYPLの予想平均PERは32.3倍です。かなり割安な水準にいることがわかります。それだけ今期待されていない状況というわけです。
事業サポート・サービスの平均PERは16.6倍です。同業種からみると妥当なPERに落ち着いていることになります。(参考:SBI証券)
PBR
2024/2/21時点での実績PBRは3.01倍。割高の水準です。1倍が目安となるため3倍の高さとなっています。
EPS
米国株では非常に重要視されている指標です。
2022年4.130ドル 2023年5.100ドルでした。 (参考:SBI証券 PYPLストックレポート)
2024年は2023年とほぼ同じ横ばいとなる予定だと発表されています。
希薄化後EPSは2023年12月期は3.84でした。
PEG
0.77は割安の水準です。1倍が目安と言われているのでほどいい安さになってきてはいますね。
予想配当利回り
PYPLは配当金がないため0となります。
配当性向
予想配当利回りと同様で0となります。
ROE
20.54%は素晴らしい数値となります。一般的には10%程度が目安と言われています。
米国株式市場の予想平均ROE(株主資本利益率)は17.8%とされています。そこも上回っており素晴らしい数値です。
自己資本比率
25.70%です。やや低めでしょうか。
米国株では自己資本比率は10%以上あれば安定的だという方もいます。一般的には30%が目安とされています。
前者で考えると非常に他社と比べ安定的です。後者で考えるとやや低いですが問題視するほどではありません。
企業の将来展望
ペイパル(PYPL)は以下の数値を重要視しています。
- 総取扱高
- 取扱件数
- アクティブ口座
- アクティブ口座当たりの取扱件数
これらの数値は一応年々上がってはきているのですが株価は右肩下がり。
売り上げは伸びていく予想とはなっているので業績自体は現在は悪くない印象です。市場としては具体的な成長戦略が見えてこないことや他社も多く参戦してきていることによる不安から売られている印象。特にAppleやGoogleが参戦していきているのが影響が大きいと考えられます。
その成長戦略ですが、2023年12月期の第4四半期の際にアレックス・クリスCEOが以下のようなことを述べています。
「当社は全社的に重要な変革を推進しており、今後数年間で収益性の高い成長を推進するために必要な事業改革を行うことを約束します。」
まずペイパルはリストラによる企業のスリム化を図るそうです。それにより、まずは全世界の従業員の9%にあたる約2500人を削減するそうです。
現在ペイパルは利益率の低い事業は成長しているそうです。利益率の高い事業が成功成長することで大幅に変化する可能性が考えられます。しかし、そこは競争により鈍化してしまっているようです。
現時点では正直短期的にはペイパルの未来は明るくなさそうな印象を受けます。というのもCEOからも「私たちのイニシアティブのいくつかは、規模を拡大し、針を動かすには時間がかかるでしょう。」と言った弱気な発言も2023年12月期第4四半期の際にでているからです。
実際に2024年12月期はEPSの伸びは横ばいと予想されています。しかも通年の売上高と営業利益率の見通しを示していません。
これでは株価は落ちて当然でしょう。投資家は失望します。
しかし株価指標的には割安になってきています。今後の成長を長期待つメンタルが持てれば現時点では安売り状態でお買い得かもしれません。
投資判断の要点
まとめ
ペイパル(PYPL)についての銘柄分析をまとめました。
株価指標的には割安ですが、置かれている状況は明るくない印象です。落ち込んでいる今だからチャンスと思い投資をするか。状況が高いされ株価を上げ始めたのを確認してから投資をするのか迷うところです。
今後ペイパルがAppleやGoogleに負けて規模を縮小していく可能性もゼロではありません。その場合今が割安だからと投資をしてもさらに下落してしまう可能性があります。
※他人の投資戦略や成功体験に惑わされず、投資についての最終的な判断は個人の自己責任において行いましょう
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引用とリンク
楽天証券