株式は適当に買ってもリスクが高いです。今から買おうと思っている企業の株式が今後上がる見込みが少しでも高いのがわかると買いやすいですよね。そんな上がる見込みがあるかどうかの判断に使えるのが株価指標です。この株価指標を使い割安な銘柄を探していきます。
それではどんな指標があるのか?その指標はどう見れば良いのか?ということを本記事では簡単にまとめました。
本記事では以下の指標を紹介します。
- PER
- PBR
- EPS
- BPS
- 予想配当利回り
- 予想1株配当
- 増収率
- 経常増益率
- 経常利益率
- ROE
- ROA
- 株主資本比率
- 配当性向
SBI証券の企業情報ページですが意外と書いてある略語の意味を全然知らないでただ見てる人も多いんですよね。株やってる友人も意味知らずに買ってる人結構いました。
— 投資たいむ|PT(理学療法士)の株式投資 (@pt_kabu) September 14, 2023
せめて使ってる証券口座でパッと見て出てくる情報くらいは理解しとくと良いかもしれません。 pic.twitter.com/bOj8rzYvuc
投資で重要な指標
以下の画像はSBI証券での株アプリでの銘柄詳細で見れる企業情報ページです。色々と指標が載っています。これらの意味を理解することで割安銘柄は探しやすくなるのです。本記事では実際に使うこのページに載っているものから順に紹介していきます。
SBI証券に関して詳細は今後SBI証券に関してまとめる記事を書きますので、そちらをご覧ください。
SBI証券も含めて他の証券会社も知りたい方はこちらをご覧ください。
PER
PERとは、株価収益率(Price Earnings Ratio)のこと。会社の利益と比べて、今の株価が割安かどうかを見る指標です。投資家なら誰もが気にしていると思われる大変重要なものです。PERは下記の計算式で表します。
PER(倍)= 株価 ÷ 1株当たり当期純利益(EPS)
EPSの詳細は後述します。このPERですが数値が高いと割高、低いと割安となります。具体的には日本企業の平均PERが15倍と言われているためそれを基準に考えられることが多いです。
とはいえ実は業種ごとにこの平均PERも異なります。そのため15倍以下だからといって買うと業種別で見ると実は割高なんてこともあるので注意が必要です。ですので、この日本取引所グループで出しているその他統計資料のなかの規模別・業種別PER・PBRを参考にしてみるのも良いかと思います。
実績PERと予想PERがありますが、主にスクリーニングで使っていくのは予想PERとなるかと思います。
PBR
PBRとは、株価純資産倍率(Price Book-value Ratio)のこと。株価と企業の純資産との関係を表す指標です。このPBRが低いほど株価は割安と判断されます。PBRは下記の計算式で表します。
PBR(倍)=株価/一株当たり純資産(BPS)
このBPSの詳細は後述します。
このPBRですが数値が高いと割高、低いと割安となります。このPBRでは1倍が基準となります。1倍を下回れば割安、上回れば割高と考えられることが多いです。このPBRも平均は業種ごとに異なります。そのため。PERと同様に規模別・業種別PER・PBRを参考にしてみるのも良いかと思います。
EPS
EPSとは、1株当たり純利益(Earnings Per Share)のこと。EPSからは企業の稼ぐ力と成長性をみる指標です。EPSは下記の計算式で表します。
EPS=当期純利益/発行済株式数
EPSは高ければ企業の収益力は高いといえます。このEPSが伸び続けていればその企業は成長し続けているということになります。このEPSは後述する配当性向にも関係してきます。
BPS
BPSとは、1株当たりの純資産(Book-value Per Share)のこと。先述したPBRを算出するのにも使う指標です。BPSは下記の計算式で表します。
一株当たり純資産(円) = 純資産 ÷ 発行済株式総数
このBPSが高いほど純資産が多く、負債が少ないということです。つまり安定性が高い会社であると判断することができます。株価よりもBPSが高いことで割安と判断することができます。
予想配当利回り
予想配当利回りとは、年間でもらえる配当金を示した数値となる指標です。予想配当利回りは下記の計算式で表します。
1株あたりの配当金÷株価×100
配当金は企業の業績自体で修正されることもあります。そのため、配当金の修正次第ではこの予想配当利回りも増減することとなります。
予想1株配当
予想1株配当とは、1株当たりの現金配当の額のことを表します。Dividend Per Shareの頭文字からDPSといわれることもある指標です。
上記の配当利回りを見ることの方が多い印象なので、この指標を強く意識することはあまりないかもしれません。
増収率
増収率とは売上高の増加率を表す指標です。増収率は下記の計算式で表します。
(当期売上高-前期売上高)/前期売上高×100
前期に比べどの程度売上高が伸びたのかを見ることができます。これがプラスになっていれば売上高が伸び成長しているということになります。
経常増益率
経常増益率とは、当期の経常利益が前期の経常利益に比べてどれほど伸びているかを表した指標です。 経常利益とは、会社が経常的に稼ぐ利益を指します。経常利益増加率が上がっている場合は、企業の収益力が上がっている状態であると判断されます。
この経常とは常に一定の状態が続くことを意味する言葉です。そのため、経常利益には通常では発生しない一時的な利益・損失は含まれません。経常増益率は下記の計算式で表します。
経常利益増加率=(当期経常利益−前期経常利益)/前期経常利益×100
経常利益率
経常利益率とは、売上高に対する経常利益の割合を表す指標です。企業の収益性がわかります。経常利益は企業本来の営業活動から得た営業利益に、財務活動における損益を加えたものです。この比率が高いと資産の売却損益を除いた企業本来の収益力が高いと言えます。
ちなみに財務活動とは、借入や増資や社債の発行などといった、企業の財務に関連した活動のことを指します。経常利益率は下記の計算式で表します。
売上高経常利益率 (%) =経常利益/売上高× 100
一般的に4%程度。10%以上なら優良企業といえます。ただし他の株式指標同様に業種ごとに平均が異なります。
ROE
ROEとは、自己資本利益率(Return On Equity)のこと。企業が資本を効率良く使い利益を上げられているかを見る指標となります。
自己資本とは、株主から出資してもらったお金など、返済が不要な資産のことです。ROEは下記の計算式で表します。
ROE(%)=当期純利益÷自己資本×100
一般的に10%以上あることで優良な企業だと判断されることが多いです。
注意が必要なのはROEの計算には企業の借金が含まれていないことです。そこでROAも一緒に見ることで借金も含めた総資産に対する経営効率を見ることが出来ます。ROAに関しては後述します。
ROA
ROAとは、総資産利益率(Return On Asset)のこと。企業の総資産を利用してどれだけの利益を上げられたかを示す指標です。ROEは下記の計算式で表します。
ROA(%)=当期純利益÷総資産×100
ROEの自己資本と異なり総資産となることで負債(借金)を含めた経営効率を見ることが出来ます。一般的に、ROAの数値が5%を超えていると優良企業だと判断されることが多いです。
株主資本比率
株主資本比率とは、総資産における株主資本の割合のこと。経営における、財務安定性を測る指標のひとつとなります。株主資本比率は下記の計算式で表します。
株主資本 ÷ 総資産 × 100 = 株主資本比率(%)
株主資本は返済する必要のない資金になります。返済の必要がない出資でカバーできるということは、それだけ財務が安定しているということになります。
平均値、中央値ともに52%程度です。しかし業種毎に大きく異なるということなのでこの指標を参考にする場合は業種毎に調べ判断することが良いでしょう。
配当性向
配当性向は、その期の純利益に占める年間の配当金の割合を示す指標です。配当性向は下記の計算式で表します。
配当性向(%)=1株当たりの配当額÷1株当たりの当期純利益×100
配当金を考えて投資をしたい場合はこの数値がある程度ある企業を選ぶと良いでしょう。企業が成長を優先して考えている場合は資金が必要となるため配当金として出さないためこの配当性向は低くなります。逆に配当性向が高いと企業に残る資金が少なくなり、積極的な投資が出来なくなっている可能性があります。
目安としては30%前後程度が良いとされています。
まとめ
SBI証券の株アプリでの銘柄詳細で見れる企業情報ページに載っている指標をまとめました。これで数値の意味を理解した上で投資の判断を行うことが出来ます。
さらに詳しく調べたいというかたは決算書もみられるようにすると良いでしょう。財務三表と呼ばれる「損益計算書」「貸借対照表」「キャッシュフロー計算書」が読めるよになることでさらなるファンダメンタルズ分析の精度向上が期待できます。
財務三表については今後記載する財務三表の記事をご覧ください。
ありがとうございました。